行きたい街・住みたい街をテーマに街の魅力を紹介する「iko-sumo.jp」。今回は、遠賀郡遠賀町にある「HANAO COFFEE[ハナオコーヒー]」さんをご紹介します。

ゆめタウン遠賀から車で5

松の本北の信号から遠賀川を背に一直線

町の中心部から住宅地をすすみ、両側に広がる田んぼのちょうど切れたところに、お店があります。すごくのどかな田園風景にひょっこり現れるコンテナハウスのような、ログハウスのような外観と控えめな看板。きっとすてきな場所に違いない!と嗅覚が働いたので、初訪問しました。

庭先に自然体に植えられている草花も、たくさんの花を咲かせていて愛らしい。

扉を開けた瞬間、思わず心の声がぽろり「すてき!大当たり」

ハナオコーヒーは、スペシャルティコーヒーとエスプレッソドリンクをメインに、体に優しいランチメニューとおやつメニューなどを取り揃えているお店でした。

店内はカウンター席とテーブル席で20席くらい。窓からの光が多く、広がる田園風景も心を落ち着かせてくれる。そして、ぬくもりを感じる無垢のカウンターと床が、どなたかのお宅のリビングにおじゃましているよう。とてもリラックスできる空間でした。

ご夫婦で経営されているそうですが、この日はマスターのみがいらっしゃいました。

真っ白な壁と、ギャラリースペース併設

入ってすぐに、いくつか絵が飾られているギャラリースペースがあり、定期的に展示をされているそう。店内の壁にも、ところどころに繊細な線画の作品が飾られていました。

コーヒーメニューとこだわりのエスプレッソメニューも

ひとつひとつ、わかりやすく書かれていて、選びやすいメニュー。お馴染みのものから、ちょっと珍しいものまで。

シングルオリジン=品種の違うコーヒー豆をブレンドすることなく、産地も国単位ではなく、農園などのより小さい単位で捉えて販売されているコーヒー豆のこと。たったひとつの品種のみで楽しむコーヒー。

エスプレッソトニックウォーター=エスプレッソをトニックウォーターで割るコーヒーカクテル。

今回覚えて帰ったワードをおさらい。洗練されたお店に行くと、知らないコトに触れられて少し賢くなる気がします。

お食事系のメニューもあるので、ゆっくり過ごせそう

子供専用ジュースというメニューもあり、本棚に絵本も見かけました。お子様連れも気兼ねなく。

モーニングセット[オープンから11:00まで]

・トーストと選べるプレスコーヒー 500

ランチ[11:0014:30]

・体に優しいおひるごはん(定食) 1000
・中華そぼろごはん 900

どちらもコーヒー付き
おやつセット[飲み物とお好みのケーキで 30円引き]

テイクアウト

店内の飲み物と、おやつ系も一部持ち帰り可。
1週間前の予約で、ホールケーキの注文もできます。

・チョコレートケーキ 2200
・チーズケーキ 3400
・エスプレッソチーズケーキ 3600

まったりブレンド(中深煎)と、カフェラテ(ふかっとしたスチームミルク)を注文。

この日は15時を過ぎたティータイムに立ち寄ったので、ブレンドコーヒーと、カフェラテにしました。

ぬくもりのある空間に、優しい空気を漂わせる店主のお人柄がわかるメニューで、まったりブレンドには、「ナッツ、チョコレートを感じる」と書き添えられていたところにも惹かれました。飲み心地に合わせられるネーミング(あっさり、まったり、コクうま等)と、焙煎具合の本格的な説明、味の印象が書かれてあって選びやすかったです。

注文を受けてから豆を挽き、丁寧にハンドドリップで1杯ずつ淹れてくれるコーヒーは口当たりがまろやかで確かにナッツやチョコレートのようでした。かすかな酸がカカオのように感じ美味しかったです。

カフェラテもふわふわのミルクで柔らかい味わいだけど、残る風味はしっかり凝縮されたエスプレッソを感じられました。

ちまたでは、コーヒーがますますツウの嗜好品のように楽しむスタイルが定着しつつあるなか、産地や焙煎具合で選ぶのは知識がなくハードルが高い。BARのようにお店の方に尋ねるのもひとつの楽しみになって来ている気がします。お酒と一緒、大人だから少しは知ってないと、みたいな。そんな中、常連さんらしきお客様が「ホットコーヒーとチーズケーキ!」とのご注文に、「今日は酸味と苦味どっちにします?」とマスターが確認されているのを横目で見て、勝手に心地よさってこうゆうことだと肌で感じました。

こんな場所が家から歩いて行けるところにあったらいいな

たっぷり注がれた1杯のコーヒーをじっくり味わっていると、まんぷくになってしまい、おやつのお伝えが出来ずごめんなさい。次回の楽しみができました。

ママと一緒にやって来た女の子が荷物を置いたかと思えばすぐにマスターに駆け寄り「スコーンください」と注文。「ごめんね◯◯ちゃん、今日はね終わっちゃったんだよ」と返すやりとりに、小学生の彼女は大人上級者の嗜み「いつもの!」が既に通じる関係に感動。

ちょうどいい空気感を求める、自分だけのホッとできる場所

正直、辺りは一戸建ての住宅と田んぼで構成されていて、生活利便性の高いエリアかと聞かれると、お世辞にもとても充実しているとは言い難い。大型スーパーや町の中心部もあるので、不便はなく静かな夜を過ごせる田舎という名のベッドタウン。ただこのお店の前の通りは、国道3号線のすぐ裏道で通勤や生活に使われ比較的交通量もある。

きっと、この立地とこのちょうどいい空気感を求め、自分だけのホッとできる場所にしているお客様が多い気がしました。この日は日中だったので年齢の高い女性の親子、小学生のお子様連れのママ、きっと夕食の支度の前にひと休みしている奥様などが次々と。22時まで営業している金曜日は、仕事帰りの男性とかもいるのかな?夜は田んぼの先の窓明りがきっと町のアイコンになっているだろう。

近隣に住まう人の居心地のよい「もうひとつのリビングルーム」

とても丁寧に淹れる厳選されたスペシャルティコーヒーやお食事はもちろんですが、ご近所さん達との、なんともいえない心地よい会話と写真では伝わりづらいおだやかで優しい空気を感じてほしいと思えるお店でした。常連さんが多く居づらいというのとは全く別で、はじめてなのに「おつかれさま」と言ってもらえそうな感覚に近いかもしれません。

今度はカウンターに座って、マスターに話しかけてみようと思います。