地域の魅力を「行きたい街・住みたい街」視点で発信する「IKO-SUMO」。編集部のある八幡西区からだいたい1時間半で行ける「篠栗」エリアをご紹介します。ピンと来たら、ぜひ参考にしてみてください。
その1は、篠栗九大の森[記事はコチラ]
その1で紹介した九大の森から、車で十数分。南蔵院の真横には無料駐車場がありますが、停められる台数が少なく10台ほどでいっぱいになります。空いていなければ少し離れた場所(徒歩3分ぐらい)に第二駐車場もありますのでご安心を。
JR城戸南蔵院前駅周辺はおみやげ屋さんや食べ物屋さん等もあるので、駅から散策するのも良いかもしれません。
参道を進むと、本堂へ続く階段が現れます。
南蔵院は高野山真言宗の寺院。別格本山とは、真言宗の中でも特別な格式を持つという意味です。篠栗四国総本寺とは、篠栗四国八十八箇所または、篠栗霊場をまとめたお寺という意味です。
お遍路さんで有名な四国八十八箇所。弘法大師(空海)も修行をしたという篠栗でも、札所を設けたのが篠栗四国八十八箇所で日本三大新四国霊場のひとつです。
南蔵院には年間国内外から120万人の方々がお参りされるほど広く信仰されています。
全長41m、高さ11m、重さ300トンで、ブロンズ像としては世界一の大きさを誇ります。また不動明王像や雷神が彫られた御神木、御本尊・釈迦如来が安置されている本堂、大師堂等、複数の堂で構成されています。
ご利益をと、金運祈願の場所としても人気
訪問したのは7月。せっかく行くならと下調べしていたので、サマージャンボ宝くじを買って、祈願してみました!詳細はこの後ご報告しますね。
お寺の入口に神様?不思議に思って調べてみると…布袋様は、七福神の中でも唯一人間から神様に昇格したとされる方。
もともと中国に実在した僧侶で、数々の話が残っていますが、お寺に属さず大きな袋を持ち、にこにこと放浪しながら生活をしていたようです。お腹が大きくて、袋を持っているくらいしか見分けかたを知らなかったので、ちょっと物知りになりました。お腹がピカピカと光っているのは、お参りに来た皆さんが摩って行くからでしょうね。私も「おじゃまします」とご挨拶。
攻略するつもりで挑むがコツ
階段を登った先が本堂の建物の真下です。境内は見どころがたくさんで、しかも広い。地図でだいたいの配置を覚えておくのがオススメです。目的がお遍路さんや、時間がたっぷりある場合は脇道に入ってひとつひとつ参拝や見学を。
限られた時間内に回るとなると、見逃しなんて事もあるので、大袈裟に言えばテーマパークを攻略するぞ!くらいの気持ちが必要かもしれません。
今回じっくり回ったつもりでしたが、振り返るとおそらく6割くらい。それでも3時間近くは居た気がします。
釈迦如来像に、阿弥陀如来像、弘法大師像。
ご本尊は中央の釈迦如来像です。手前にお賽銭やお線香をお供えするところがありました。そこから手を合わせたり、眺めている方が多かったです。私は靴を脱ぎ、横の階段から本堂の中に。この絨毯敷きのところにしばらく座らせていただきました。
特段信仰深いという訳ではありませんが、仏教という観点からお釈迦様や阿弥陀様を近くに感じられる場所は本堂だと思ってはいます。
それは、パワースポットという言葉で簡単に表すこととも違う気がしていて、今ここにあることを有難いとただ実感をするというか。
これは個人的価値観なので、参考にはならないかもしれません。簡単に言うと、本堂はとてもいいところです。観光やパワースポット巡りとしてもお寺は楽しめるので、それぞれの関わり方があっていいですね。
今の自分と向き合ってみる
本堂のすぐ脇に、お地蔵さまが並べられていました。
何やら、願いを込めて持ち上げたお地蔵さまが軽ければ願いが叶い、重ければ努力をするよう教えてくれるというもの。
直感的に大きさも装いにもピンときてこのお地蔵さんをよいしょ!小柄でかわいらしい表情で選んだものの、予想以上にどっしり重たく、持ち上げられませんでした…。心当たりしかなかったので、納得。努力をしなさいと教わりました。そこで改めて読むこの言葉。
いい加減だと言い訳がでる
中途半端だと愚痴がでる
一生懸命だと知恵がでる
…、言葉を失いました。
弘法大師をお祀りしている大師堂。豪華絢爛なお堂の中心には弘法大師像が。
手を合わせて振り向くと、奉納を記したプレートと共に壁面にずらりと並ぶ小さな像。これには驚きました。
さらに奥へと進めば「大聖不動明王像(だいしょうふどうみょうおうぞう)」
不動明王はさまざまな厄災から私たちを守ってくれる神様だそうです。
高さ11メートル、色も大きさも表情も、泣く子も黙るど迫力。
その横脇に御神木がありました。雷の落ちた木には神様が宿るというのは耳にした事がある人も多いはず。この大きな杉の木には雷神さまが直接彫られていました。
そしてその周りには喜怒哀楽の表情をした「五百羅漢(ごひゃくらかん)」の像がたくさん。こちらも不動明王に負けず劣らずの存在感です。持ち物、顔、身なりがひとつひとつ違い、よく見て回ると自分や知人にそっくりな羅漢に出会えるかもしれませんね。
篠栗四国八十八箇所なだけに、白装束に身を包んだ、お遍路さんも見かけました。参道の売店にも、傘や杖など巡礼グッズも販売されていました。
ご利益を期待して宝くじ祈願
約50メートル、このトンネルの壁面にも奉納の印としてのお地蔵様プレートが。
トンネルのちょうど真ん中に七福神が祀られていました。なんとなく、ここかな?という気がしたので用意しておいた宝くじを出して祈願。人生で初めて買ったサマージャンボ宝くじ、買ったのは5枚。
宝くじ祈願所、ありました!七福神トンネルを抜けた先でした。
ここは私の下調べが甘かった。
どうやら南蔵院のご住職が購入した宝くじを大黒天のお札といっしょに置いたところ、見事に当選したことから大黒堂でお札を授かるとご利益があると言われているそうです。
当選した宝くじは一度で終わらず、ジャンボ宝くじの1等前後賞合わせて1億3000万円を当選した数日後、ナンバーズ4で140万円を4口当選、ほかにも数々の宝くじの高額当選を繰り返しているという強運の持ち主で、現在は講演活動などで大忙しなんだとか。
大黒天の真横に、開運御守りなどと一緒にくじの記入台が設けられていました。棒を引いて、出た番号を書くというコーナーもあったり。
景色を眺めながら通路を進んで、この先山肌のような道を進むと
ついにお姿が見えました。しかも頭部から。頭のつぶつぶの巨大螺髪(らほつ)をこんなにも近くで見られるとは。
正面からのお姿に、ほっこり。全長41メートルの大きさは、圧倒されるというよりあまりに堂々たる寝姿と半眼に、にやけてしまいました。悟りって何だろう、気持ち良さそうだなと。正面から眺められるようベンチが置かれ、小さな売店もあるので、ここでひと休み。自然の中で涅槃像を見つめているうちに、昼寝したくなりました。
南蔵院では長年にわたりミャンマーやネパールの子供たちに医薬品、ミルク、文房具などを贈り続けた返礼として、ミャンマー国仏教会議よりお釈迦様、阿難様、目連様の三尊者の仏舎利の贈呈を受け、この仏舎利を祀るために釈迦涅槃像が建立されました。そのため特別な場所なため有料にはなりますが、涅槃像の中にも入り参拝できるそうです。
お釈迦様の左手にはよく見ると、五色の布が垂れ下がり、正面に立つとその紐を握ることができます。参拝の際には、近づくとお釈迦様と自分が繋がれる紐が、右側に回るとお釈迦様の足の裏に触れることができます。何やら見慣れない不思議な紋様がありました。
これは『仏足(ぶっそく)』といって、お釈迦様の足裏を石に刻んだもので、それぞれの紋様にも意味があり、お釈迦様の尊い教えと慈悲の心が込められています。
紋様の一部を紹介をすると、剣のような紋様は「金剛杵相(こんごうしょうそう)」といって魔物を寄せ付けないという意味や、魚の紋様「双魚相(そうぎょそう)」は不滅の生命力、などそれぞれ意味があるようなので、事前に調べて行くとさらに楽しめそうです。
この他紹介していない参拝場所もたくさんあり、それぞれの由来やひとつひとつの石像などしっかり見ていくと、涅槃像にたどり着くまでにお腹いっぱい気味になりました。
観光で初訪問の際は、どこを回るかしっかり決めておき、回を重ねるごとに、見るところを発見、増やしていくという楽しみ方がありそうです。
自然と数々のエネルギーを感じる篠栗エリア、おでかけの候補にいかがですか?