【夏休みの宿題、“ため息”が“笑顔”に】
この夏、門司区の全市民センターが起こした、心温まるムーブメント
夏休みの宿題といえば、子どもたちにとっては“ため息”がつきもの。でも、今年の門司区では、そのため息が“笑顔”に変わる特別な夏がありました。なんと、全ての市民センターが校区の垣根を越えて連携し、子どもたちを応援する企画を実現したのです。
草木染め、陶芸、貝殻アート、大工仕事体験まで――地域の特技や想いを生かした17種類のプログラムが登場。子どもたちは「面白そう!」と思った教室に自由に参加でき、地域全体が“子どもの夏休み”を見守る場となりました。
「みんなが喜ぶ顔を見たい」
全市民センターの“こどもへの想い”
普段は小学校区ごとに活動している市民センター。けれども今年は、「子どもたちに最高の夏休みを届けたい」という想いを一つに、垣根を超えた大きな挑戦に踏み出しました。
例えば、貝殻を拾ってネームプレートを作るプログラムでは、家庭事情で参加が難しくならないよう、送迎バスを走らせて海岸への移動そのものを体験に組み込みました。車を持たない家庭の保護者は「ありがたかった」と声を弾ませ、子どもたちに忘れられない夏の思い出が刻まれました。
“陶芸の神様”が先生に!
3回シリーズで「本物」を学ぶ
「家庭では絶対できない、貴重な体験でした」
そんな声があがったのは、陶芸教室。先生は“陶芸の神様”と呼ばれる名人。普段は教室を開かない方が、子どもたちのために特別に指導してくれました。
さらに、一度きりではなく全3回の本格講座として、粘土をこねる段階から焼き上げまでを丁寧に学ぶ仕組みに。ボランティアや地域の大人が全面サポートし、子どもたちは自分だけの作品を完成させました。
大工さんから学ぶ「本物の仕事」
「危ないから使わせない」のではなく、「危ないからこそ正しい使い方を学ぶ」。
そんな方針のもと、現役大工さんの指導による木工体験も開催。金づちを握りしめる子どもたちの表情は真剣そのもの。完成した作品を手にしたときの誇らしげな笑顔は、大人の心にも強く残りました。
学びが地域を巡る――大人も子どもも育つ場所に
今回の取り組みは、子どもの成長にとどまらず、**地域の中に新しい「人の輪」**を生みました。
草木染め教室は、昨年の講座参加者が「子どもたちとやってみたい」と立ち上げたもの。準備から当日のサポートまで担い、地域住民が“先生”となって活躍しました。
学んだ人が次の年に教える人になる――。そんな“学びの循環”が地域に広がり始めています。
子ども同士の思いやりが芽生えた瞬間
高学年が低学年をそっと助ける姿。
おばあちゃんの家に遊びに来ていた校区外の子が自然に仲間に加わる風景。
そこには、大人から子どもへの思いやりだけでなく、子ども同士の優しさも生まれていました。保護者からは「この地域に引っ越してきてよかった」との声もあがり、地域愛が深まるきっかけになったのです。
おわりに ~地域が一つのチームになる夏~
門司区の全市民センターが一丸となり、地域全体で子どもたちを支えた夏。そこに生まれたのは、笑顔の輪と新しい連帯感でした。
子どもたちの笑顔を中心に、大人たちが力を合わせてつくったこの景色。
それは、私たちが目指す「豊かな地域コミュニティ」の姿そのものです。
来年の夏も、門司区からどんな温かい物語が生まれるのか――今から楽しみでなりません。