少子高齢化・人口減少・空地空家問題といった課題先進都市である北九州市で、人口増加を裏テーマに誕生した行こう住もう。そういった課題は、大都市圏以外の日本各地で同時多発的に進行しています。

そんな折、2021年に北九州市から豊前市に移住したフォトライター「ぶぜんノート」さんが、古民家を活用した図書館をオープンすると聞きつけ、民泊で古い家を活用することがポピュラーになってきた昨今、なぜ図書館!?と引っかかった編集部、でも何だかとっても面白そう。。。

というわけで、北九州のお隣にある豊前市へ足を延ばしてみました

有料道路を駆使して、北九州市から車で1時間ほど。ちょっとした小旅行気分

 現地に着くと、どこか懐かしい閑静な住宅地すぎてスルーしそうになりましたw💦

今日はオープンイベントということで、外からでも分かるぐらい、屋内にたくさん人がいる気配が伝わってくる。

かわいらしい看板には「営業開始は424日(水)から」の記載。毎週水曜日のみの営業になるそう。

昭和生まれにとってはなんだか懐かしい屋内。

想像していたいわゆる図書館的な、本棚ズラリ、本ギッシリではない、日本家屋のぬくもりを活かしたゆったり空間。

年季の入った「梁」の存在感!

梁の下部も本棚スペースに。蔵書に時折見えるマンガのセンスに共感(笑)

 

こちらも(笑)ちなみに女性店主であるぶぜんノートさんは「鬼平犯科帳」に特殊な愛情を示します。

特別扱いされる火付盗賊改方。

シンプルでおしゃれな本棚も、今回のオープンに際して調達したオーダー品とのこと。IKEAグッズとの相性も

蔵書の一部は協力者の方々が提供してくれたもの。オープンを実現するために、実にたくさんの方に支援を頂いたのだとか。

これは激レア!タモリさんも訪れた堀川運河のカルタ。どこで手に入れたんだ?今はももう無くなってしまった堀川沿いの飲み屋街がなつかしい。

元北九州市民の証。

これまたセンスを感じる諸星大二郎。なつかしさ漂う空間で、ゆったりぼんやり活字に目を通す贅沢が、じわっと実感できる図書館。

古民家図書館 TSUDURI(つづり)のオープンに込めた思いを、ぶぜんノートさんに伺いました

ぶぜんノート:ご縁あって豊前市に移り住んで3年。そのうち2年をこの建物をお借りして過ごしました。築年数は不明だそうです(笑)。オーナーさんを始め、地域の方々、行政の方々と繋がりが広がっていき、今では豊前市の魅力を伝えるお仕事のお手伝いをしています 

ニシヤマけいおん:もともとはホームページ制作とか、デザインや写真、ライティングなどのお仕事をされていたんですよね?

ぶぜんノート:そうそう 。Web関係色々です。豊前では写真と文章中心にサービスを提供してきました

ニシヤマけいおん:こちらに移り住んで、いろいろな方々との繋がりが出来ていく中、なぜこの図書館をつくろうと?

まずは『こんなに気持ちがよい場所を空き家のままにするのは勿体ない』というシンプルな思いからです

ぶぜんノート: 冬場の寒さのため家族で長くここで暮らすのは難しいと現代住宅に引っ越しましたが、暮らすのではなく用途を絞ればリノベもDIYも不要で、そのままでまだまだ十分いけると思っていました。
『この古民家、とてもいいですよ』ということを伝えられて、かつ自分の本業と両立できるようにと考えたのが『図書館』です。
それに豊前で写真撮影や文章制作についても教えてほしいという方も出てきたので、自分が読んできた本もシェアできるしちょうどよいと。カフェではなく図書館にしたのは、本業をしながらでもできるのではと思ったからです。仕込みは不要ですし、スペースだけで間に合いますから

ニシヤマけいおん:今日のこのイベントに来られていた方々は、老若男女、本当に幅広い属性でしたね。ぶせんノートさんのこれまでの交流やお仕事ぶりが垣間見える感じがして、僕にとってもとてもいい刺激になりました。ちなみに、これからここがどうなっていってほしいと思っていますか?

本を古民家で読むことだけでなく、地域の人、市外の人、職業年齢関係なく、繋がれるきっかけとなるような場になればと思っています

ぶぜんノート:何かしら困りごとが生じた場合、何に困っているか具体的に周りが知っておけば解消するケースは結構ありますよね。『これがしたいんだけど誰か詳しい人いない?』『手伝ってくれないか?』とか。
すぐに解決できかったとしても、後日誰かを紹介してくれることもとある。

誰かと誰かをつなぐハブ的な機能を古民家に持たせることができるのではと

だからロゴのテキストの『library』に『+』を付けていました。人でいえばコミュニティマネージャーとしての役割ですね。

この古民家図書館の空間が好きという方たちなら、感覚も合いそうですし。これまで繋がらなかった人たちが古民家図書館を通じて繋がったらどうなるか。何かが起こるんじゃないかとイメージしています。

古民家図書館TSUDURI(つづり)

2021年に北九州市から豊前市に移住したフォトライター「ぶぜんノート」 @buzen_note が、2年住んだ築年数不明の古民家を小さな図書館として再活用。市役所近く、乙女八幡神社の鎮守の森が見える場所で2024年4月24日から毎週水曜日に営業予定
〒828-0051 福岡県豊前市吉木1050-2
駐車場:無料駐車場あり

HP:https://td-pj.jimdosite.com/

Instagram:@kominka_tsuduri
空き家の活用の仕方だったり、Webや写真といったクリエイティブ制作を通じた情報発信だったり、スキルとキャリアと人とのご縁が結びついて実現したこの図書館。もしかしたら地方創生の新しい形なのかもしれませんね。