先週の今ごろ、「来週の今ごろ、無事に走り終わってマラソン記事書いているはず!」と思いながら走っていました。(懲りずに)今年も参戦しましたので、まだ記憶が新しいうちにビギナーの皆様へ「北九州マラソン攻略法」をお伝えします!

「なぜお金を払ってまでキツイ思いをしたいのか?」への回答はコチラ


北九州マラソンには公式サイトがあり、じつに細やかなコース案内がされています。

最近まで気付かなかった💦公式サイトはちゃんと目を通しましょう💦コースは大会開始以来、変更されていませんので、↑のマップは今後も使える前提でお伝えしていきます。

【北九州マラソン攻略ガイド 全10本とおまけ付】

➀レース前半はなぜか皆さん飛ばしがち(笑)

これは読んで字のごとく、スタートから10キロ程度はダンゴ状態が続きますので、周囲の軍勢に引っ張らられてついつい飛ばしてしまいがち。日本人の悲しい性ですかね?💦、20キロ以降からどんどん差が出てくるのが分かっているのに、「抜かれるのはなんかイヤモード」が発動しちゃいます。ここはぐっとこらえて「人は人、自分は自分モード」で乗り切ります。そう、マラソンは何処まで行っても個人競技。誰も助けられない、助けてもらえない、人生のようなもの。

ちなみに筆者は5㌔はアイドリングタイムと割り切っています。ランアプリが伝えてくる「平均タイム」に気を取られず、5㌔は比較的ペースを保って体が温まるのを待ちます。今この瞬間は抜かれても大丈夫です。後半「あの人、俺を颯爽と抜いて行った人やん」という人たちを後から抜き返す、それが快感だったりします(ニヤリ)。

➁アップダウンはあまりない 最大の難所は10キロ「枝光」あたり

北九州マラソンはアップダウンがあまりなく、記録狙いのガチ勢が全国から集まってくるそう。逆にビギナーにとっても優しいコースと言えますね。よく言われる最大の難所(最も坂がキツイ)のは八幡東区「枝光駅~牧山」あたり。ここは「あえて歩きに徹する」ランナーもいるそう。なるほど、体力と走力と相談しての戦略的歩きはアリですよね。

他にも少し手前6キロあたりの八幡東区「高見」、12キロあたりの「戸畑~九工大前」も地味に登り。そして前半の隠れた難所は18キロ地点「鋳物師アンダーパス」!毎年、応援団が派手なお迎えをしてくれる折り返し地点の手前にアンダーパスがあり、距離は短いが傾斜が急!ここ試験に出ます。

これら以外は、もうアップダウンはあんまりないんです。「ペアリレーマラソン」に出場される方は、前半後半を仲良く決めてください(笑)

③エイドステーション(給水所)は予めチェックしておく

今年の様に気温が高い時はなおさらですが、「喉が渇いてから水分を採る」のはチト遅いんです。ラン中は体外には汗が出ていきますが、脳内にはアドレナリンが出ていますので、「渇き」に気づかないことも。わずかでもいいのでまめに給水しておくと、後半のバテを少しでも遅らせることが出来ます。バテだけならまだいいですが、脱水症状(視界がチラチラしてきたら初期症状)、足のつりなどが発生することもあります。

そういえば、今年は気温が高かったので、完走率も少しだけ低かったようです。倒れているランナーも例年より多く見た気がします。やっぱり人間、出場するからにはベストを尽くしたいと思うもの。頑張りすぎて、気付かないうちに脱水症状になってしまう・・・マラソンには魔物が棲んでいるんでしょう。

20キロ地点リーガロイヤルホテルさん前は、沿道の応援を思い切り浴びる(笑)

小市民ランナーがお金を払ってまで走る理由、第1位「賞賛を得たい」。ここがその瞬間です。北九州市のランドマークがある幹線道路を、交通規制を掛けて、沿道にたくさんの人々が応援に駆け付ける・・・オンステージ状態を味わうしかないでしょう!余裕の表情、苦悶の表情、それぞれのスタンスで声援に応えましょう。「ペアリレーマラソン」の前半者のゴール地点でもありますので、本当にたくさんの応援を浴びることが出来ます。

⑤そして、ここからが本当のスタート

しかし残念なことに、半分を超えて「ナフコ小倉北店」さんを超えたあたりから、ここまでに溜めてきた疲労とダメージが襲い掛かってきます。ノリで出場を決めて、練習不足から足を痛めるランナーが増え始めます。

そう、これまで来た距離と同じランができる、訳がないのです。疲労とダメージが溜まる前提、これを練習段階でどれぐらい経験しておくかが大切だと思っています。脅しているわけではありません💦このあたりから、同じ道に往路と復路ができ、招待ランナーなどのガチ勢とすれ違っていきます。復路を戻ってくるランナーたちを見ながら「俺も彼らの様に早くゴールに近づきたい!」と思うようになります。

赤坂海岸の「湖月堂」さんあたりの直線は、本当に辛い思い出しかなく、マラソン以外で通っても嫌な思い出が蘇ります。(笑)(湖月堂さんのせいではありません)。特に、復路で戻ってくるときは、足を引きずって苦悶の表情を浮かべるランナー、座り込んで回復を待つランナー、救護班にストレッチをしてもらうランナーたちが大量発生しており、まさに死屍累々の地獄絵図。この餓鬼道をいかに突破するか、筆者の練習にかける想いはココにあります。


ここで!北九州マラソン対策ポイントを2つ

【ポイント①】
「サプリ発動」→前述の通り、北九州マラソンはエイドステーション(給水所)が5キロ置きに配されていますので、給水や給食の補給には事欠きません。が、それ以外に補給しておいた方がいいのは「疲労回復効果のあるサプリ」です。本当のところ、効いているかどうか分かりません(笑)。ですが、確かに「足のつり」には効いている実感があります。疲労とダメージが蓄積すると、筋肉がいうことを聞かなくなることがあり、足がつったり、痙攣したりします。マグネシウムの不足が原因だそうです。
筆者はいつもこれを携帯し、レース直前と10キロ置きに飲んでいます。いかにもハイカロリーな甘ったるさですが、気付けにもなり、スターを獲ったマリオ気分になれます。これ以外にも、レース直前に痛み止めを飲んでおきます。痛み止めは服用できる錠数が決まっているので注意が必要です。

【ポイント②】BGMを変える」→ラン中の過ごし方は人それぞれだと思いますが、筆者は「音楽」「ポッドキャスト」の二本立てのプレイリストを用意しています。「音楽」のプレイリストは、テンションを上げる目的で、特にメタル、メタルコア、ミクスチャーハードコア(死語?)、ロックンロールなどのアッパー系を揃えます。
「ポッドキャスト」は、以前紹介したCOTEN RADIO。ヤンヤンさんの笑い声と、深井さんのセクシーなロートーンボイス、樋口さんの優しいコメントで、偉人や戦争やお金の歴史を聞きながら走ります。いずれにせよ、「外界からの音を遮断し、脳内に別世界を創り上げて、疲労とダメージを認識できなくする」という最終形態に突入していきます。

⑥門司港からの折り返しで、やってはいけないこと2

30キロを過ぎ、ようやく復路にさしかかり、今来た道を戻る。20キロ地点から30キロ地点をなんとか乗り越えても「まだあと12キロもあるやん!」の事実に向き合います。


北九州マラソンでやってはいけないことを2つ

【その①】「カウントダウン(あと何キロ)」→余計キツイ。
【その②】「リーガロイヤルホテルを見つける」→ムチャクチャ小さく見えて、その距離に絶望する。

⑦小倉牛はキチンと食べよう!

マラソンをしない人から驚かれることの一つに「よく走りながら食べられるね」ということがありますが、いやいや、そりゃ腹減りますって!筆者の場合、フルマラソンを走ると3000カロリーは消耗しています。5時間弱で1日の倍のカロリーを使っている計算になるからです。

北九州マラソンは本当に地元の企業団体が協力的で、銘菓や地の物がたくさん食べられるのですが、やはり名物の小倉牛はしっかり味わうことをお勧めします。エイドステーションの脇のテントで、肉の塊がぐるぐる回りながら焼かれています。想像してください、極度の疲労と痛みを抱えるランナーたちに浴びせられるその匂い。たまらんっす涙。パックに入れられランナーを待っていますが、片っ端から持って行かれ、ずーずーしい人になると、一人で何パックも抱えて、道路のわきに座り込んでしっかり味わう人もいます(笑)。

 ちなみに、小倉牛ブースの隣は大学生のチアリーディング部が黄色い声援を送ってくれます。三大欲求の内、ここで2つが同時に満たされます。

⑧最後の2キロは5キロ相当

40キロ地点の看板が見えると、もう気分はゴールしたも同然。とはいえ、2キロは2キロ。短くはなりませんが、「早く終わらせろ!」という想いから、単位は世界規格を無視して俺規格に変貌します。長い、長い、長い2キロは、感覚的には5キロ分はあるように感じます・・・。

⑨ラストスパート

ラストスパートは、案外力が出るのは筆者だけでしょうか?
1人でも多く抜いて、1秒でも早くゴールしたい。結構この時に出る力は、自分を信じられる源かもしれません。今回はラスト500メートルほどで20人は抜きました。

⑩無事にゴールした後は

着替えが待っているEXPO会場(西日本総合展示場)に入るまで、実に多くのスタッフの方が、飲み物や完走メダル、メロンパンや魚肉ソーセージを持って、労いの言葉をかけてくれます。もう放心状態で、ひたすら「ありがとう」を連呼してしまいます。
ちなみに、ここで配られるフランソワのメロンパンは、たぶん地球上のメロンパンで一番美味いです。

・・・以上がゴールまでの道のりに沿った攻略法でした。小市民ランナーのリアル目線が伝わっていれば幸いです。

 

編集長の北九州マラソン現場レポート&インタビューの様子はコチラ

※おまけ

マラソン当日は、駅や交通機関がとても混みあいます。一度だけ、電車で西小倉駅に向かう際、車掌さんが車内案内で粋なコメントをしてくれたことがありました。

スタート地点がとても混みあいます。時間には余裕を持つこと、トイレにはしばらく行かなくていいようにすること(スタート30分前ぐらいは一番トイレに列ができます)にお気を付けください。

手荷物はどのコンテナに積むのか、ゼッケンに記載のナンバーを確認してください。

エントリー時のベストスコアに準じて、事務局が割り振るスタートブロックに入ります。

この待ち時間が長いんですよねー💦

ちなみに、北九州市役所の庁舎には、毎年なにがしかのメッセージが発信されます。

見えますかね、「走」の文字が。粋な演出にランナーとしては燃えますね。

人はマラソンに出る必要は、全くないと思っています。何も損しません。でも、出ると得します。

来年も自己ベストを目指して楽しく走り切るぞ〜

 

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