なんてこった!40代になると、こんなにもR.I.P記事を書かないといけないのか!
私、副編集長を含めた40代日本人にとって、ドラゴンボールとドラゴンクエストとブルーハーツとダウンタウンから影響を受なかった者はいない、そう思っていた。僕は知った気になっていただけだったようだ。日本がマンガ・アニメといったコンテンツ産業で世界を席巻していることを。
その日、溢れる想いを何とか表現したい人々が、Xに次々と投稿を寄せていた。同じようにあふれる想いを感じたい人々が、ネットを介してコミュニケートしていた。地球規模で。
個人的な趣向として、偉大な人物を神格化して崇め奉ることにはかなりの抵抗がある。
が、今度ばかりはそうは言っていられない。なぜなら地球規模だからだ。
各界の著名人が、巨匠と言われた作家たちが、世界のプロスポーツチームが、各国大使館が、先進国大統領が、一人のクリエイターの死をこんなにも悼むなんて、普通じゃない。僕が小学生のころに亡くなった「漫画の神」手塚治虫の時も、世界の反応はこうだったのだろうけど。
小学校に入りたての頃、人気絶頂の内に終わった「Dr.スランプ」の後継作として始まった代表作「ドラゴンボール」は、濃密でスピーディーで躍動感に溢れて奇想天外な展開で世間を圧倒した。その一人だった僕もまんまとハマって、マネしてマンガもたくさん描いた。絵を描く事の楽しさやカッコよさを教わった。デフォルメされた戦闘機や戦車や車や、本当な存在しないけど実はどこかにありそうな架空の乗り物に心躍った。「ドラゴンクエスト」シリーズの深遠なシナリオと壮大な音楽に匹敵する画力に心臓を撃ち抜かれた。ドラクエⅢのメインビジュアルのカッコよさには今でもあの頃の感覚を呼び覚ます。アメカジをベースとしたファッションセンスにオシャレさを感じた。ゴーグル付きのヘルメットやクラシックカーが好きなのは、間違いなく鳥山作品の影響だ。
“ドラゴンジェネレーション”とでもいうべき鳥山明直撃世代であることは、“就職氷河期世代”などと言われた不名誉な呼称を凌駕して余りある。
20歳を過ぎて漫画家としてデビューし、既存のどのルーツからもかけ離れた圧倒的画力と世界観・・・なんてこった!こんな稚拙な言葉では1ミリも故人の偉業を言い表せはしないではないか!
その必要もない。だって、地球上のみんながそれを知っているから。
下手な野暮は止めて、ただただ素直に、地球上に数多いるいちファンとして、頂いた感動に感謝するばかりです。
鳥山先生、オラにも元気を分けてくれてありがとうございました。
その日放映された、プロ野球のTV中継。制作陣のみなさん、GJ!!