行きたい街・住みたい街をテーマに街の魅力を紹介する「iko-sumo.jp」。今回は、北九州を代表する観光スポット旦過市場周辺での楽しみ方、カルチャー編をご提案します。
北九州の台所!旦過市場!
北九州市小倉北区の市街地の中心エリア。
北九州の台所と呼ばれ、アーケードに吸い込まれるように人が集まる。全長180メートルの通りを中心に、横道にそれた路地、さらに枝道が延び迷路のよう。道幅が狭く、足を踏み入れた途端、タイムスリップしたような気分に。
青果、鮮魚、精肉、惣菜、北九州の名物でもある「ぬかだき」に、蒲鉾、乾物、製菓に酒屋。カフェやうどん・そば屋なんかもあり、北九州の美味しいものがぎゅーっと集まります。
ホームページによると、120軒もの店舗で構成されているそうで、コンパクトなサイズの店舗が軒を連ね、ぎゅうぎゅうかつ美しく品物が並べられている店舗ばかりです。
細い通路は、観光客など旦過市場初心者はじぐざぐと歩き、通い慣れた人や仕入れに来ている店の人などは、人の群をすり抜けるように目的の店に一直線!市場の歩き方の違いは歴然で、おもしろい。
ご覧の通り、赤いのぼりの携帯決済をしている店も多く、食べ歩きやちょこちょこ買いにはとても便利。
定休日は店舗により異なります。※ぎっしり店舗が営業している雰囲気を感じるためには、日曜日以外。
今回のカルチャー編のご提案コースはこちら
① 小倉かまぼこで「名物」を購入
② 赤壁酒店で一杯ひっかける
③ 小倉昭和館で映画鑑賞
おまけ 昭和の面影を見つける
ご紹介したいお店や名物が溢れているのですが、今回は、このコースにしたいと思います。
ただし、まずは市場の端から端まで、右に左に目をキョロキョロとさせながら、ぜひ歩いてみてください。
それだけでも充分に楽しめること間違いなし!きっと、何歩か進むとすぐに財布の紐が緩みます。
通りを進むと時折、いい香りが。店先で煮込まれたおでんも。
旦過と言えば、「おでん屋台とおはぎ」というのも10年以上前までは小倉を代表する名物でした。夜になると、市場が閉まり入口の当時24時間営業スーパーの丸和の周辺におでん屋台が数台集まり、それぞれの屋台にそれぞれの名物店主とオリジナルの具材があって。屋台でアルコールは提供しないので、スーパーで買って持ち込んで、おでんと一緒に楽しむ。
そして、シメは甘いおはぎ。伝統あるこの独特なおでん屋台の楽しみ方ができなくなったのは、さみしい気がします。これぞ、カルチャー!と思って、当時はよく仕事帰りにおでん屋台に通っていました。
テッパン①小倉かまぼこで、名物「カナッペ」を購入
創業の大正9年(1920)から100年を迎える小倉かまぼこの旦過店
かまぼことてんぷらのお店です。てんぷらと言っても、もちろん練り物を揚げたほうの天ぷらです。
表のショーケースには種類豊富な天ぷらが並べられていて、どれもとても美味しそう。
決めきれずあれこれ迷っていたら、オススメも教えてくださいました。観光客にも慣れていらっしゃるお店の方は気さくで、さすが超人気店。あっという間にお店の前に人だかりができていました。
韓国語のポップなどもあり、インバウンド対策も。
今は国際情勢上、めっきり足が止まっていますが、いち早く安心して旅行ができる日常に戻りますように。
テレビや雑誌などでも紹介される機会も多い「カナッペ」は、やはり人気ナンバー1のようです。玉ねぎ、にんじんなどを練り込んだ魚のすり身を薄い食パンでくるりと巻き、油で揚げたもの。外はカリッと、中はふわっと。ご飯のおかずにもぴったりですが、ピリッと胡椒が効いているので、お酒のあてに最高!ぜひ一度食べてみてください。
[買ったもの]
・カナッペ 1個 150円
・和牛の包み揚げ 1個 200円
・もろこし天 1個 200円
小倉かまぼこ株式会社 旦過店
北九州市小倉北区魚町4-2-19
093-531-5747
9:30〜18:00
定休 日曜・祝日
https://www.kokura-kamaboko.com
② 赤壁酒店で一杯ひっかける「角打ち」
北九州が発祥の角打ち。しかも、このあかかべの暖簾が風情がある。
「角打ち」とは、交代勤務の中、朝や昼に仕事が終わる労働者に、酒屋の店内で店の商品を飲ませたことが始まりで、ひと昔前であれば、郊外の住宅地にある酒屋なんかでも見かける馴染みの光景でした。皆さんは角打ち体験したことありますか?
あくまでも酒屋のスペースで飲むという行為がルーツなので、あれこれともてなしを受ける飲食店とは様子が違います。店内には日本酒の銘柄の札がかけられ、それらはグラスで量り売り。大きな冷蔵ケースにあ るものは、缶のものならそのまま、瓶ビールなら自分で取ってお店の方に渡すと、栓を抜きグラスを貸してくれる。
そこで立ったまま一杯ひっかける。この日は黒ラベルにしましたが、もちろん赤星もあり。はじめは暖簾の先の未知の世界に緊張していましたが、初心者である事を正直に伝えると、お店の方も親切にしてくださいました。おつまみメニューも豊富で、おでんやぬかだき、玉子焼きに冷奴や漬物などもあり、充実したラインナップでした。
歴史ある雰囲気の中で、真昼間からの角打ち体験は幸せすぎてハマってしまったので、いつか、小倉の酒屋をハシゴして、記事で紹介したいなと思っていますので、詳しくはその時に。
[飲食したもの]
・サッポロ黒ラベル中瓶
・おでん2つ
計 630円
赤壁酒店
北九州市小倉北区魚町4-5-4
093-521-3646
9:30〜19:00
定休 日曜日
③ 小倉昭和館で映画鑑賞
実はこの日のメインイベントは、映画。というのも、
旦過エリアを歩いていると、日本アカデミー賞を獲ったばかりの、旬な話題の作品のポスターを発見。お気づきでしょうか?そう、カナッぺは、映画館で食べるため。1杯ひっかけたのは、上映開始までの時間調整。映画館と目と鼻の先の酒屋を勝手にウエイティングルームに見立てて気分を高めていたということです。
小倉昭和館は北九州で唯一残る、まちの映画館。昭和14年(1939)創業で、こちらも老舗です。ミニシアターや、二番館と呼ばれるタイプの映画館で、劇場選りすぐりの作品がセレクトされています。お客さんからのリクエストでの、アンコール上映もしているそうで、映画を愛するまちの人達と共存している映画館です。
1号館と2号館に分かれており、それぞれのスクリーンで厳選された2作品が交互に上映されています。基本入れ替え制では無いので、2作品続けて見られるというお得なシステム。
料金 2本立て 1200円
毎月1日 1000円
レディースデー(毎週水曜日) 1000円
メンズデー(毎週木曜日) 1000円
この日は土曜日の最終上映回で最後の1作品のみの鑑賞だったので700円で入場できました。
小倉昭和館
北九州市小倉北区魚町4-2-9
TEL 093-551-4938
定休 火曜日
http://kokura-showakan.com
機材メンテナンスにより、2号館は3月21日(土)~4月3日(金)休館
上映時間はホームページなどでご確認ください
1号館 270席
2号館 100席
北九州は映画にゆかりの深い街
小倉昭和館は、映画祭やイベントなどで有名人が舞台に上がられることも多く、入口にはサインが壁いっぱいに飾られていました。
昔ながらの雰囲気の座席も、落ち着きます。ちょっと斜度が急な印象なので、後部座席に行けば行くほど、スクリーンを随分と見下ろすような配置。スクリーンに舞台が付いていて、ここに映画監督や俳優が立っていたんだと想像したりも楽しいです。
上映中に静かにいただきました。
持ち込み可だとは言え、映画館なのでマナーにも気をつけたいところ。市場で買っておいたカナッペや、天ぷらは音も立たず、ぴったり。
ロビーには、自動販売機で飲み物、袋菓子やカップアイスなどもありその場でも購入できます。
映画前のわくわく感も、映画後の余韻も街ごと楽しめることはとても贅沢な時間でした。
街歩きや劇場などへのおでかけ自体、今現在は難しい状況ですが、楽しみ方の引き出しに入れていただけると嬉しいです。ふいに思い出した頃や、たまたま見たい映画の上映が決まった時などに、旦過エリアにぜひ立ち寄ってみてください。
おまけ 昭和の面影を見つける
#ノスタルジック #レトロ
●昔からあるコインランドリー。きっと、街中にあるごくごく普通の光景だったのかもしれないけれど、時が経ちあらゆる物が進化し、そこにあるものすべてが今では見られない貴重な雰囲気です。「古さ」が新鮮でいつも前を通る度、一度は立ち止まってしまう場所です。
●ネオン看板。灯りが付くと、街は一気に華やぎます。ネオン管の再ブームで今っぽいものもよく見かけますが、昭和のネオン看板は色も字体も、今ではなかなか出せない味があります。この灯りを見るだけで歓楽街を想像させる芸術的な看板だなと思います。
●タイル壁。こちらも昭和館。かなり好みの色味のタイル壁。昔のビルや家に使われるような小さめのタイル、柄や色に特徴のあるタイル、好きなんです。同系色で雰囲気を出しているものもあれば、何色も使いモザイク模様にしていたりと、昭和のタイルにときめいてしまいます。
その他、「行こう住もう」による小倉エリアのトピックもチェックしておこう。あわせて、天気の良い日に行きたい公園情報もお見逃しなく。