「百万都市・北九州」北九州市の人口が、ついに90万人を下回った。

2026年5月28日、北九州市は4月1日時点の推計人口が89万8668人となり、1963年の5市合併以来初めて90万人を割ったことを発表した。

この言葉を聞いて育った世代にとっては、少なからず衝撃のあるニュースだったと思う。

数字だけを見ると、確かに厳しい現実だ。1979年には約106万8000人だった人口は、その後減少を続け、ついに89万人台へ。ニュースやSNSでは、「やっぱり北九州は厳しい」「人口減少が止まらない」といった声も見かけた。でも、少し違う景色も見えている。

人口は減っている。でも、街は本当に元気がなくなったのだろうか?

門司港では新しい挑戦をする若者たちに出会った。若松では移住者が新しい店を開いていた。黒崎では地域を盛り上げようとするイベントが増えた。小倉では新しいホテルや商業施設の話題が続いている。市内の大学生たちは、自分たちでイベントを企画し、地域課題に挑戦している。人口統計だけでは見えないエネルギーが、確かにこの街にはある。

もちろん人口減少は軽く考えてはいけない。

税収や地域経済、公共交通、医療、教育など、多くの課題につながる重要な問題だ。だからこそ行政も企業も市民も、本気で向き合わなければならない。しかし同時に、「人口が減った=魅力がなくなった」という単純な話でもないと思う。

編集部が感じる「北九州の変化」

正直に言うと、数年前よりも「面白い人」は増えている気がする。

移住してきた人。起業した人。地域で何かを始める人。副業やフリーランスとして活動する人。まちづくりに関わる学生たち。「北九州って何もないですよね」と言う人より、「北九州だから挑戦できる」と話す人の方が増えてきた印象がある。大都市ほど競争が激しくなく、自然も近く、家賃も比較的抑えられる。そして何より、人との距離が近い。

これは数字では表現できない、この街の大きな財産だ。

「住む理由」は数字では測れない

人口ランキングだけで住む街を選ぶ時代は、少しずつ終わりつつある。

テレワーク。副業。地方移住。二拠点生活。価値観はどんどん多様化している。住みたい街は、「人口が多い街」ではなく、「自分らしく暮らせる街」になってきている。そう考えると、北九州にはまだまだ大きな可能性がある。

海がある。山がある。都市機能もある。空港も新幹線もある。そして何より、人が温かい。編集部が取材で出会う人たちは、本当に魅力的な人ばかりだ。

だから私たちは今日も発信する

人口90万人割れ。確かに大きなニュースだ。でも、その数字だけで北九州を語りたくはない。人口減少という現実から目を背けるつもりはない。だけど、それ以上にこの街には未来へ向かう物語がたくさんある。

私たちはこれからも、その物語を伝えていきたい。90万人を切った街だからではなく、89万人の人たちが暮らし、毎日新しい挑戦が生まれている街だから。

数字の向こう側にある北九州の魅力を、これからも発信し続けたいと思う。