北九州では珍しい宿場町の味わい
ノスタルジックな木屋瀬の宿場町
古民家や古い日本の街並みが好きなもので、ノスタルジックな木屋瀬の宿場町はしっとり浸れる最高の場所です。市指定有形文化財として指定されている建物もあり、北九州では珍しい雰囲気が楽しめる場所です。そんな魅力的な木屋瀬にもかかわらず、意外と市内の人にも知られていない穴場スポットなので自信を持ってご紹介します!
市指定有形文化財として
指定されている旧高崎家
今回、見学に訪れたのは以前から雰囲気が好きだった(選ぶのは雰囲気かい!?)市指定有形文化財として指定されている旧高崎家(伊馬治部生家)です。
名刺交換のススメ
名刺に描かれたそっくりな達磨のイラスト
案内してくださったのは、ボランティアで歴史ガイドをされている髙野さんです。髙野さんの名刺に描かれた達磨のイラストが、ご本人にソックリ(失礼!)で面白い(失礼!)のです。名刺としてキャッチーですぐに覚えられるのでとっても素敵です。ご興味のある方は、髙野さんと会って名刺交換をオススメします。
長崎街道、筑前六宿の1つで
街並みとして残っているのは
もう木屋瀬くらいという事実
これは凄いですね〜PRすべきですよね〜と、意気込みましたが、今回は木屋瀬のノスタルジックな街並みではなく、
日本家屋の建築物としての
5つの見どころをご紹介します
日本建築にはあの近代建築の3大巨匠の1人、フランク・L・ライトも影響を受けたとか。というわけで、日本の建築物という視点でじっくりと見て感じてきました!
見どころ①
天保6年…180年前の建物
昔の大工の棟梁は、自分が関わった家屋に「墨書銘(ボクショメイ)」といって棟上げした日を梁に墨書きで残していたそうです。そこに記載されていたのが、天保6年!へぇ~…一体何年前のことなのでしょう?1835年だそうです。なんと、180年以上前です。
見どころ②
命取りの大問題「2階の倉庫部屋」
この旧高崎家は何世代にも渡り様々な人が、様々な使い方をしてきたそうです。醤油醸造業を営んでいたり、民家として3つの世帯が住んでいたり。今でいうシェアハウス!?…ハイカラですね。
昔は、今のように河川敷も整備されていない時代です。浸水することもあったようで、醤油醸造業としては命とりの大問題です。そこで、家屋の2階部分を天井の低い倉庫にしていたそうです。この吹き抜けはその倉庫の名残です。
見どころ③
船の底を逆さにした形に似ている「船底天井」
船底天井とは部屋の中央に向かって天井が高くなっていく工法のことで、昔の日本家屋にはよく見られたようです。船の底を逆さにした形に似ていることから、このような名前が付いたようです。
見どころ④
謎の「雨樋のない屋根」
昔の日本家屋には、雨樋がありません。屋根を伝って地面に落ちます。注目なのは、家屋を取り囲むように敷き詰められた「石」です。この石は、雨が落ちて地面がぬかるまない工夫として敷かれていたそうです。そしてもう1つ、この石には大事な役割がありました。
ここでクエスチョン!
大事な役割とはなんでしょう?(ミステリーハンターになった気分で)
正解は、防犯のためでした。大きめの石を敷くことで踏むと音が鳴り、侵入に気づくとうことです。
まさに、1石2鳥の工夫ですね。
見どころ⑤
「出隅」よりも「入隅」が必見!?
サザエさん家の縁側を思い出すと、雨風を防ぐ雨戸を思い出しますよね。
雨戸は普段1か所に収納することができます。そんな雨戸ですが、旧高崎家のように出っ張ったり、引っ込んだりした形状の家屋だと雨戸を1か所に収納できません。
そこで特徴的なのが「家屋の角(かど)」を行き来できる「出隅、入隅」です。
レールの上を走るように、簡単に雨戸を収納できます。
ちなみに出隅はよくあるのですが、「入隅」はかなり珍しい!見る価値ありですよ!
【まとめ】
① 天保6年「180年前」の建物!!
② 命取りの大問題「2階の倉庫部屋」
③ 船の底を逆さにした形に似ている「船底天井」
④ 謎の「雨樋のない屋根」
⑤「出隅」よりも「入隅」が必見!?
日本家屋を建築目線で見るとより一層おもしろいものです。
古民家ブームがありますが、デザイン的な部分以外にも、昔の日本人の暮らしや工夫に思いを馳せてみるのもお勧めです。
その他、「行こう住もう」による北九州のグルメ関連のトピックもチェックしておこう。
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