行きたい街・住みたい街をテーマに街の魅力を紹介する「iko-sumo.jp」。今回は、遠賀郡遠賀町にある「日本茶カフェ 風樂[ふら]」さんのランチをご紹介します。

駅チカの住宅地にしっぽり佇む日本茶カフェ

あまりの駅チカで、うっかり通り過ぎてしまうかも

場所はJR遠賀駅を背に左に約100メートルほど先。周辺は駅ちかと言えど、民家が立ち並ぶ住宅地でした。お向かいとの道幅も狭く一軒家の1階部分が店舗になっているようでした。

お店のななめ向かいに広い駐車場があり、お店専用のスペースが設けられています。

漆喰の壁にほんのり中の光を感じられる扉と地窓。隠れ家という言葉がとても似合う趣に少し緊張しましたが、看板を照らす灯りが頼りです。

外観はとても落ち着いた印象でしたが、意外にも中はカジュアルな雰囲気で、広々。緊張が少しほぐれます。

カウンター席とテーブル席、小上がりと写真にはありませんが、個室のようなソファ席でだいたい20席くらい。

完全予約制で、金・土曜日は夜の営業もされているそうですが、基本は11:0016:00まで。(ラストオーダーは15:00)ランチとお茶の時間がメインです。

まずはウエルカムティーで最初のおもてなし

この日はアップルほうじ茶、りんごの香りと甘い飲み口ですが、ほうじ茶とのブレンドで後味は香ばしく爽やか。

人気メニュー、選べる焼きおにぎりのお茶漬けランチ

おにぎりは、大・中・小と選べます。

メニューに書かれた順番に沿って、お茶からおにぎりの中身、具の組み合わせでできるお茶漬けを想像しながら選びます。

私は、おにぎり(170gの中サイズ)・おにぎりの中身(トマトソース)・お茶(鹿児島知覧の玄米茶)・小鉢(白身魚のあんかけ)・お茶漬けの具(とろけるチーズ)を選びました。この他に、茶そばサラダ・自家製とうふ・香の物・週替わりデザート付き。ボリュームもお得感もあります。

ランチ価格変更あり 10月〜  (小)1290 (中)1360 (大)1430

パスタも和風系で3種類、ごはんものは、みつせ鶏のそぼろ丼、ふるの牛のすじ煮込丼など、ランチセット以外にもこだわりを随所に感じられます。

1煎目はお茶の味わいをしっかり楽しみ、2煎目はお茶漬けで楽しみ、3煎目は食後に

はじめは急須と湯のみに注がれているお茶と、お湯入りのポット。手元でお湯を足し何杯でもどうぞのおもてなし。

右の緑色のお茶が知覧の玄米茶、左の茶色のお茶が京都のほうじ茶です。私が選んだ玄米茶は、香りが高く、香ばしさの後に甘みとコクを感じられます。この香りは急須で淹れたお茶でしか味わえないですね。

次に自家製とうふ。おにぎりが焼けるまでに、このおとうふで心掴まれます。

とろっとクリーミーなおとうふは、かき醤油でいただきます。口当たりがプリンやレアチーズを食べているかのような錯覚をしてしまうほど滑らか。とても美味しかったです。テイクアウトもあり、お土産に買って帰りました。

真っ赤な炭の入った卓上七輪とまん丸おにぎり!

おにぎりを潰さないよう持ち上げて、焼き網へ

おにぎりだけを焼くだけのための炭火なんて、贅沢すぎる非日常でかなり楽しみました。これこそが、このランチの醍醐味です。触りたいけど我慢がポイントです。

テンションが上がってしまっているので、見落としがちですが、メニューに書かれた「コツ」はしっかり読んでおくと良いでしょう。うっかり力を入れすぎたり、待ちきれず気になってひっくり返そうとすると、網の上でほころんでしまうことも。

5分くらいだったか、もう少し時間が経っていたか、程よく焼き目が付いたら裏返し、かき醤油を塗ります。このかき醤油が後のお茶漬けで旨味が増すポイントなので、しっかり染み込ませましょう。ほんのり焦げもあっていい感じ。裏面を焼く時は、最初の焼きで網が焦げ付くので、黒くなりやすい気がしました。香ばしさにはなりますが、ほんのりこんがりくらいが良いですよね。

薬味も数種類用意されています。左上から、かつお節・ごま・柚子ごしょう、のり・糸唐辛子・ねぎ。

選べるおにぎりの中身や具を和風にすると、この薬味全部のせても美味しそう。

私は、トマトソースとチーズを選んでいたので、糸唐辛子、ネギくらいにしておきました。

おにぎりの両面を確認し、お好みの焼き具合でお茶碗へ。

お茶を注ぐととろとろチーズに。

おにぎりを崩すとトマトソースの中身がお茶にとけ出し、とろとろチーズと混ざり合います。美味しい!チーズリゾットと例えたくなりますが、香ばしいお茶の風味が活きてあっさりとしていて、するする喉を通ります。トマトソースとチーズとお茶の融合に驚きました。玄米茶やほうじ茶でお茶漬けにすることで、味わい深さが生まれるんですね。ゆっくりお茶を飲み、小鉢やサラダを食べつつ焼き加減を見守り、手間をかけながらの食事は満足度もひとしおでした。

週替わりのスイーツもこだわりの2品。

食後のデザートにはヨーグルトムースとマロンパイ。手づくりのスイーツは、こちらもランチセットの一部です。食事が済んでも、長居したくなります。

今回はランチのご紹介となりましたが、日本茶にこだわるお店なので、抹茶や玉露、玉緑茶、べにふうきなど、お茶単体でも注文でき、飲み方のスタイルも選べるようでした。さらにお茶を使用したこだわりのスイーツメニューも10品以上あり、ティータイムだけでも充分に楽しめます。

12年続くこちらのお店。ひとつひとつのお茶に対して、細かく丁寧な説明書きがあり、日本茶の奥深さに触れることができました。カジュアルな雰囲気と楽しい演出のランチの裏に、忘れがちな日本茶の楽しみ方を提案してくれるお店でした。

最後に。おにぎりを焼く楽しさに浮かれすぎて、やはり見落としだらけでした。おにぎりは側面もまんべんなく焼くこと、二・三口は焼きおにぎりとしてどうぞと書かれていました。

この記事を読んでお店に行かれる際は、ぜひ慌てず浮かれず、「コツ」をしっかり読んでお食事してくださいね。