こんなにも何かを言いたい気持ちと言葉が出てこない気持ちが混在することは、めったにないと思っています。
就職氷河期世代の僕たちにとって、BOOWY・X・THE BLUE HEARTSは必ず通る通過儀礼でしたが、僕にとってバンドへの目覚め、音楽への興味を誘って(いざなって)くれたのは、間違いなくBUCK-TICKでした。
高校一年生、初めてスティックを握ってドラムに向かった1曲目は、名盤「TABOO」の1曲目であり、本人たちにとっても記念碑的なハンマービート「Iconoclasm」でした。4つ打ちのキックとタイトなハットとスネアのコンビネーションから、8ビートの何たるかを知った、僕にとっても記念碑的ナンバーでした。
超名盤「狂った太陽」のダークで耽美的な世界観、その中でも特に輝く「MY FUNNY VALENTINE」「JUPITER」「さくら」「Brain,Whisper,head,hate is noise」「MAD」「地下室のメロディー」、ベストでないベスト「殺シノ調べ」(「Iconoclasm」のアレンジは白眉)、「Darker than Darkness」「COSMOS」は、間違いなく人生上位に入るヘビロテでした。ライブ映像「Climax Together」なんか、テープがちぎれるまで観たっけな(笑)
天才・今井寿の作曲、魔術師のようなギターサウンドと、いぶし銀プレイでさりげないオブリでいろどりを添える星野英彦のサウンドメイク、ビートロックからどこまでも進化しグルーヴをまとった兄弟リズム隊のボトム・・・これらはすべて圧倒的カリスマであり、かの氷室京介から「お前は顔がいいんだからドラムじゃなくてボーカルやれ」と言われて以来、ゴシックで文学的で自己破壊的な言葉と、危うさと色気をはらんだ声でBUCK-TICKの世界観を決定した櫻井敦司のボーカルを支えるものだったと理解しています。
ヒロシさんとのまさかのキャンプ繋がりや、猫を偏愛する姿や、長髪時代にタモリさんと交わしたトークも、その音の世界観ありきのギャップとして楽しませてもらっていました。
今夜はフェイバリットの「さくら」の一節「さぁ安らかに、眠るように瞳閉じておくれよ」を噛み締めながら、その妖艶な容姿と歌声に浸りたいと思います。今頃は天使のような会話をしているところでしょうか。
今井さんはインスタで「続けるからね」と言ってくれましたが・・・
心より櫻井敦司様のご冥福をお祈り申し上げます。
数えきれない感動と青春時代の彩りをありがとうございました。
久しぶりにCD棚から漁った我が家のライブラリー。超名盤「狂った太陽」は初回盤!!
僕の中では「あっちゃん」と言えば中田敦彦ではなく櫻井敦司。
そしてロングヘア時代の超絶純血男前が今でも心に焼き付いています。